引きこもりの私でも、彼氏が出来た!

私は今の恋人に出会うまで、本当の恋愛というものを知りませんでした。

 

恋愛は、漫画やドラマや映画の中だけのもので、リアルに人を好きになること、恋愛においての楽しみや切なさというものは、とてもとても漠然としたものでした。

 

10代のときに、人間関係によるトラブルがキッカケで、私は家に引きこもるようになりました。誰にも相談出来ず、誰にも心を開けず、とても苦しい期間でした。

 

そんな中、とある趣味が好きな人が集まる掲示板を目にしました。

 

私は最初は見ているだけでした。匿名で色んな人が同じ趣味について語り合っていて、遠目で楽しそうだなぁと眺めていました。

 

しかし段々と、見ているだけでは飽き足らず、私も語りたい!仲間に入りたい!楽しみたい!と強く思うようになりました。

 

だけど当時の私は匿名でいられるネットでさえ、人への苦手意識が強く、すんなりとは参加する気持ちになれません。ですが、勝手に手が動いたと言いますか、本当に思わず掲示板へ言葉を打ち込んでしまっていたのです。心臓はバクバク。「しまった!どうしよう!」と激しく動揺しました。

 

しかしその瞬間、私の言葉に対し、次から次へと反応が返ってきたのです。その掲示板内は雰囲気も良く、モラルのある人達が集まっていたので、私も緊張が少し解け、その後も少しずつ少しずつ掲示板内の人たちと楽しく語り合う日々が続きました。

 

そんな日々がしばらく続くと、ある特定の人ととても気が合うことがわかり、たくさんの仲間がいる掲示板の中で、お互いだけにレスポンスを付けるようなことが起こりました。

 

最初から、その人は同じ年代の男性だと知っていたし、向こうも私を女性だと知っていたので傍から見てもとても仲良しでいい雰囲気になっていったと思います。私はだんだんと、相手に恋愛感情を抱くようになりました。

 

彼の仕事が休みの日はたくさん話せる!と嬉しくなり、彼の返事をドキドキして待つようになり、毎日がトキメキに彩られ、こんなにイキイキしたのは久しぶりだ!と心が踊る日々でした。

 

そんな楽しい毎日にある日、トラブルが起きました。

 

掲示板を荒らす人が現れ、一時的にやむを得ず閉鎖となったのです。突然気になる彼との連絡が途絶え、私は途方に暮れました。

 

ずっと掲示板を眺めていると、荒れ放題に連なるスレッドの中に、出来たばかりの新しいスレッドが立っていました。気になって見てみると、なんと彼が自分のフリーメールアドレスを載せ、私に向けて「ここに連絡して」とメッセージを書いてくれていたのです。

 

私は素早くそのアドレスにメールをしました。自分の携帯からメールし、なりすましだと思われないよう私だと分かるように送信しました。

 

そうしてなんとかまた彼と連絡がつくようになりました。彼もフリーメールではなく自分の携帯アドレスを教えてくれ、そこから掲示板ではなくお互いの携帯メールで毎日やりとりする日々が続きました。

 

仲が深まるにつれ、私は自分が引きこもりであることを話さなくてはいけないような気になっていました。

 

彼に職業は?など聞かれたこともありますが、言葉を濁したりしてやり過ごしているのが辛くなってきたのです。私は、勇気を出して、彼に打ち明けました。

 

「私は現在仕事をしていません。人が苦手です。家に引きこもりがちな毎日を過ごしています。」

 

返信がくるまでの間、とても怖かったです。心臓はバクバク、息は苦しく胸がつかえるようで、嫌われたらどうしようと、怖くて怖くて仕方ありませんでした。

 

しばらくすると彼からの返信が来ました。

 

「なんとなく気付いてたよ。コミュニケーションが苦手な感じがするのも分かっていた。無理に働こうとしなくても、出来ることから少しずつでいいんだよ。」とありました。

 

ほっとして、泣いて泣いて、泣きまくりました。

 

一般的な見方で言えば、引かれるに違いないだろう、もしかしたら彼も逃げてしまうかもしれない、理解のない人かもしれないとどこかで疑いの気持ちもあったからよけい、あぁ良かった…本当の自分を打ち明けて良かったと思いました。

 

しかしそこからもまだ、超えなければいけない山のある日々は続きます。私は無職であり暇であり友達もいない身であり、彼は社会人であり友達もいる今時の青年です。私の中の劣等感や焦りは少しずつ色を濃くしていきました。

 

日毎に彼への想いは高まり、恋愛経験がほぼゼロの私は順序というものをすっ飛ばし、自分の想いを彼に打ち明けてしまいます。

 

彼はまだ、私と会ったこともなく、日も浅く、冷静に「まだそこまで考えられない」と正直に返してくれました。私は当然ショックでした。が、諦めませんでした。というよりは、本当に好きだったので、諦められませんでした。

 

それからも毎日メールする日々は続きます。するとある日、ひょんなことから、彼は一年前に別れた元彼女との復縁を望んでいることを知りました。

 

暇な時間、彼と出会う前の掲示板を遡って読んでいたら、同じネットのネームで彼がその話をしている一文を読んだのです。私は激しく動揺しました。

 

もしかしたら今もまだ、前の彼女のことを…?と。思わず彼にストレートに聞くと、彼は「そうだよ」と返してきました。私はその時、振られた時よりも落ち込み、何も言えなくなってしまいました。

 

私なんか、と思っていました。元彼女はきっときちんと仕事をしていて、社交性もあって明るくていい子なんだろう、私みたいな引きこもりがちで、未熟な人間なんて好きになるわけがないだろうと。

 

それが心にいつまでも引っかかり、彼と初めて大きな喧嘩をしました。私は他人にこんなに感情を露わにし、思ったことをいい、怒ったのは、ほとんど彼が初めてでした。

 

電話でしたが、怒って怒って、泣いて、彼もまた怒って怒って、ひどい言葉をお互い言い合いました。私は、それまで何度かメールで、会いたいと話していました。

 

しかし、彼は県外に住んでおり、新幹線で片道2時間もかかる遠い所にいました。すんなりと会うことは叶いませんでした。私から会いに行こうとも思いましたが、お金もそこまで回らず、その勇気もなく、あと1歩2人の関係は進まずにいました。

 

私はだんだんそんな関係に限界があるような気がしてきました。喧嘩も増えたし、彼は私のことを好きになってはいないし、会うことも叶わないし、もう…つらい。でも彼とお別れしたら、私はまたひとりになる…楽しかったのにな、寂しいな。でも私、もうこんな関係疲れたよ。振り向いて貰えないって悲しすぎるよ。大好きだけど、もう、身を引こう。本気でそう思いました。

 

彼との喧嘩が続き、冷戦のような日々が続く中、私はついに切り出しました。メールではなく、電話で。「もう限界です。私は本当に大事にし合える恋愛がしたいです。私のこと好きじゃないなら、引き延ばされてもつらいので、お互いの為に連絡を考え直しませんか」と。

 

私は思わず号泣しました。彼は何度も「本気なの?もう連絡とらないの?」と言ってきました。私は1度だけ、本当の気持ちを言いました。

 

「私は、あなたと一緒に生きていきたい」

 

1度も会ったことがない、本当の正体なんてお互い知らない、主にメールでしかやりとりしてない。傍から見たら滑稽で、嘘くさくて、ニセモノな関係なのかもしれない。

 

でも私はいつだって彼に正直でいたし、彼を好きだと思う気持ちは確かに恋愛感情だと感じていました。私は彼に会って初めて、恋愛とはこんなにも胸が苦しく切なく、そして人生をキラキラと輝かせるてくれものなんだと思いました。

 

初めて、一緒に生きていきたいと思った人でした。

 

その電話は、なんだか締りのないまま終わり、結局どうなったんだっけ?とわからず私は迷いの中にありました。本当にこれで終わってしまったのかな…自分から別れを切り出したのに、つよい後悔と寂しさが残りました。

 

すると翌朝、彼からメールが来ました。「〇〇(私の住んでいる県)ってもう雪振ってるっけ?」と。

 

季節は冬でした。彼との出会いは春。しかしこの年の春ではなく、去年の春。彼との毎日のメールの日々は、その年でもう二年目を迎えようとしていました。

 

彼からの脈絡のないメールを不思議に思いながらも、彼とまた連絡がとれることを嬉しく思いました。自分から別れを決意していたのに、私は結局彼を諦め切れずにいたのです。

 

こんなにもあやふやなままなのに、私って都合の良い女かな。私って、どんだけバカな女なんだろう。…でも、彼を好きな気持ちに、もう少し素直でいてみよう、と思いました。

 

何気なく「もう雪は振り始めているよ」と返した日の夜、彼はこんなメールを返信してきました。

 

「今週の土曜日、そっちにいくから!」

 

新幹線で片道2時間。雪の降る私の地元に、彼は来ました。それまでもお互いの姿は写真交換していたので雰囲気は知っていたのですが、初めて触れる距離で彼を見ると、どこか懐かしいような、温かいような、初めて居場所を見つけた時のような気持ちに、なりました。

 

私はそのときもう、引きこもりではありませんでした。今もまだ働けてはいませんが、彼に恋をした時から「いつか会うことになるかもしれない!」と身だしなみを気にするようになり、美容院や服屋さんに行く為に自然と勇気を出せるようになっていたのです。

 

人は、焦りや恐れからではなく、楽しみや先の希望を動機として勇気を出せるのだと思いました。

 

彼と初めて会った日に、私はとびきりのオシャレをしました。私はそんな自分にも彼にも、ときめいていました(笑)。一緒にご飯を食べ、観光がてらショッピングをし、初めて異性と手を繋ぎました。本当に、本当に楽しい一日でした。

 

その日から約一年経った今現在、彼とは続いています。そして正式にお付き合いしています。私は今は家の手伝いをし、家事は一通り出来るようになり、家に引きこもることも少なくなりました。地元の悩める若者向けの交流会にも、参加するようにもなりました。

 

遠距離恋愛なので、寂しいことも多々ありますが、それでも私は彼と今後も仲良くしていこうと思っています。

 

彼と出会って本当に良かったです。そして恋愛は素晴らしいものだと思います。そしてこれからも、どんな自分でも、希望は捨てずにいこうと思っています。

 

恋愛経験全くゼロ、彼氏いない歴=年齢、しかも引きこもり。の私が、ネットで出会った彼に恋をした。どう考えても無理だと思われる恋にも、勇気を出して自分を出し、相手と向き合っていった。

 

人生になかば絶望し、諦めがちだった私に希望がさした。外へ向かう勇気を、その強い恋愛感情がくれた。

 

どんな状況でも、自分の気持ちに正直でいたら、奇跡のように彼と両思いになることが出来、遠方から会いに来てくれて人生初の彼氏が出来た。結婚も考えています。

 

この恋がこの先どうなっても、生涯忘れられない大恋愛になることは確信しています。

 

自分が今どんな状況であっても、どんなに自分に自信がなくても、本当に好きだと思う相手には、勇気を出して本当の自分を見せてほしいなと思います。うまくいくなんて確証はありません。でも、絶対うまくいかないなんて確証もありません。

 

もし、相手が受け入れてくれなかったら、すごく傷付くと思います。私もそのことをたくさん考えて動けないことが多いです。

 

ですがもし、本当に本当に好きな人が現れたら、そんなことで悩む余裕もなく、たぶん体が勝手に動くこともあるかと思います(^_^;本当に欲しいものは、望んでいいし、チャレンジしてみる価値は大いにあると思います。

 

恋愛は、希望を与えてくれるものだと私は実感しています。人をこんなにも大好きだと思えることは幸せです。ましてや両思いなんて天にも昇る気持ちです。全ての女性に、心から大好きな人と巡り合い、幸せになってほしいなと思います。

 

私は長いこと引きこもりで対人恐怖社会恐怖で依存しまくるし重いしめんどくさいしで珍味な人間でしたが、それでも受け入れてくれて、好きになってくれる男性はいましたよ!(笑)だからきっとどんな女性にも、そんな相手が、用意されてるのだと思います。